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今日も声高らかに喉を鳴らす

彼の恐ろしさに皆が戦く

 

「最高の気分さ」 そんな時

空から石ころが飛んできた

 

目の前に立つ少年が 悲しげな目で睨む

 

百獣の王様はここにはいねぇよ

そんなしゃがれた声じゃ恐ろしくもない

サバンナのライオンはこんなもんじゃない

僕が憧れたのは 百獣の王

 

彼は何度も鳴いた

その存在を誇示するかのように

でもそれでも

 

目の前に立つ少年は 悲しげに背を向ける

 

百獣の王様はここにいるだろう?

俺はこのしゃがれ声が大層気に入ってる

そう信じて疑わず 今まできたのに

この胸の違和感は一体なんだよ

 

本当は気づいてた

彼の檻のプレートには 「裸の王様」

​裸の王様

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